がん包括ケア科学

基本情報

がん包括ケア科学

代表者 教授
作田 裕美
連絡先 TEL:06-6645-3539
MAIL:sakuda[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 
概要 がん患者・家族への専門的看護援助のあり方と、そこに働く看護師の働き方に焦点を当てた教育と研究を行っています。
今日のがん医療の進展には目を見張るものがあります。がん告知がすなわち死の宣告と受け止められていた頃からすれば、まさに隔世の感を禁じ得ません。がん看護の関心も、「がんを病む人」が抱える症状悪化や治療に伴う苦痛の緩和に重きをおいていたものから、「がんを治療しながら生活する人」の、その人固有のニーズに応えようとする拡がりのある関心へと移行してきております。がん患者は不治の病に侵され苦痛に満ちた治療に耐えざるをえない悲劇的な人ではなく、がんを体験しながら生き抜くサバイバーなのです。がんサバイバーが、その人らしく生き抜くことを支援するためにがん看護を担う私たちは何を学び、どんな力をつければよいのでしょうか。この問いから「がん包括ケア科学」の新たな関心が生まれ、安寧を届けるケアの開発へとつながるのです。
また、常に最新の医療技術が投入されるがん包括ケアの現場はストレスフルで、そこに働く看護師(集団)が抱える問題も多様で深刻です。したがって、がん包括ケアの質向上には、そこに働く看護師(集団)の働き方に影響を及ぼす組織文化や組織の構造設計等に関する検討も不可欠となります。これらが、がん包括ケア科学の探求課題です。
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教育について

【学部教育】
臨床健康危機看護学に関する授業(講義・演習・実習)を担当します。主に周手術期にある患者・家族を対象に,心身の危機的状況下から生活機能の回復,社会復帰に至るまでの患者の生活過程を整えるために必要な看護の考え方と方法について教授します。臨地実習は,附属病院の外科系病棟,中央手術部,救命救急センター,ICU,HCUで行います。受け持ち患者を通して,「病気を治療しながら生活する人」を共感的に理解する態度を養うと同時に,その人の全体像の把握に始まり,その人がその人らしく生きる姿を看護のゴールとして描き,必要なケア計画を立案し,実施・評価を行う一連のプロセスを通して,看護実践能力の基礎力の育成を目指しております。「研究セミナー」では,臨床健康危機看護学に関心をもつ3・4年生を対象に,学生の臨床疑問を育て,研究疑問へと誘うことから研究の基礎を実践的に楽しく学びます。

【大学院教育】
博士前期課程では,がん患者の診断・治療過程に活用する複雑な症状マネジメント,生活者としてのがんサバイバーが直面する自立(療養と職業の両立)への支援,先進治療の進展とともに生じている倫理的諸問題,がん看護の多様な臨床に働く看護師(集団)の働き方を含めた医療経済政策等,がん看護臨床の今日的課題を包括的に探究します。
博士後期課程では,がん患者・家族が体験する身体的・心理的・社会的苦痛を,広範な理論・概念の学びを通して共感的・かつ科学的に理解します。さらに,この学びを発展させ新たながん看護の創生を目指します。同時に,がん看護臨床に働く看護師(集団)の働き方に関する検討も,がん看護の質向上を目指すがん包括ケア科学の探求課題です。

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:がん看護学

がん治療後後遺症「リンパ浮腫」の症状緩和を目指し,患者の現状把握,早期発見指標の開発,看護治療効果研究等を行っています。また,放射線看護について,医療被ばくに関する臨床現場の現状把握と解決すべき課題の探求や患者の有害事象緩和に向けた研究を行っています。

概要

研究テーマ名:救急看護学

救急初療における看護の機能と役割や,救急初療に働く看護師のコンピテンシーを見出しています。

主な研究業績

  1. 作田裕美,大串晃弘,坂口桃子.フライトナースの職務遂行の構造.日本看護科学会誌.2020;40:252-259.
  2. Masato Yoshihara, Ryoko Shimono, Satoko Tsuru, Kaoru Kitamura, Hiromi Sakuda, Hidenori Oguchi, Akio Hirota. Risk factors for late-onset lower limb lymphedema after gynecological cancer treatment: A multi-institutional retrospective study. European Journal of Surgical Oncology.2020;46(7): 1334-1338. doi: 10.1016/j.ejso.2020.01.033.
  3. Hiromi Sakuda,Naoko Arai,Ryu Arai,Momoko Sakaguchi,Lee Miau Shin,Yukari Murakawa.Nursing Interventions Taken by Radiotherapy Nurses and the Difficulties Faced by these Nurses.The Journal of Radiological Nursing Society of Japan.2015;3(1):29-35.

 

スタッフ

教授 作田 裕美
講師 高尾 鮎美
特任助教 宇佐川 千晴