地域包括ケア科学
基本情報
地域包括ケア科学
代表者 | 教授 河野 あゆみ |
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連絡先 | TEL:06-6645-3540 MAIL:ayukono[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 |
概要 | 人々は、疾病や健康障害があっても最も望ましい生活の場を自ら選び、自分らしく暮らすことで良い人生を送ることができます。地域包括ケア科学では、あらゆる年代の、疾病や健康障害のある人々やそのリスクの高い人々、それをとりまく家族、地域の人々に対して、健康と生活の質の維持と向上をめざすケアや看護を追究します。 人口減少と少子超高齢化が進むわが国では、ケアをめぐる社会背景や人々のニーズが急速に変化してきています。施設内医療から家庭や住み慣れた地域で最期まで暮らすことができる包括的なケアシステムの構築と創造性豊かなケアが必要とされています。また、健康格差が広がるなか、自分で助けを求められない人々に手を差し伸べることができる温かいケアも求められています。 地域包括ケア科学は、これらの時代の動向を踏まえて、対象者一人ひとりのケアニーズに応じたケアや看護を展開し、医療保健福祉からみた地域課題を解決することを目指します。地域包括ケア科学分野では、地域・在宅看護実践やケアシステム構築に応用できるエビデンスを追求し、地域包括ケアならびに地域・在宅看護実践や教育研究に貢献できる人材の育成を通して、ケアと看護学の発展に寄与することをめざして、日々研鑽を積んでいます。 |
ホームページ | https://www.omu.ac.jp/nurs/com-intecare/ |
教育について
1.学部教育
地域包括ケアならびに地域・在宅看護実践や教育研究に貢献できる基礎力を有する人材の育成をめざして、次の方針で授業科目等を担当し、教育を展開しています。
1)在宅看護学基盤論(2年次 コース共通)
地域・在宅看護の基本理念と機能を学びます。
2)高齢者ケアと経済(2年次 先進ケア科学コース)
医療介護政策と経済の基本的な内容を学びます。
3)地域包括ケア論(3年次 先進ケア科学コース)
地域包括ケアが必要な健康課題に対する看護支援とケアシステムの基本を学びます。
4)訪問看護過程演習・訪問看護過程実習(4年次 先進ケア科学コース)
総合的機能関連図による訪問看護過程展開の実際を学びます。
5)地域包括ケアシステム演習・地域包括ケア実習・ケアシステム科学実習(4年次 先進ケア科学コース)
地域住民や在宅療養者などの健康やQOL(生活の質)に関する地域課題を分析し、必要な支援とケアシステムづくりの実際を学びます。
6)研究セミナー1~4(3・4年次 先進ケア科学コース)
学生が主体的に地域包括ケア科学に関するテーマを選び、ゼミ形式で研究の基本を学びます。
2.大学院教育
地域・在宅看実践やケアシステム構築に応用できるエビデンスを追求し、地域包括ケア科学に基づくケア実践や教育研究に貢献できる人材を育成します。博士前期課程では地域包括ケアシステム研究特論・研究演習、博士後期課程では地域包括ケアシステム特講・後期研究演習等の授業を行っています。講義科目では、在宅療養者や虚弱な高齢者などケアニーズの高い人々の健康とQOLを守るケア展開方法と地域包括ケアシステムの理解を深めます。演習科目では、国内外の研究論文等の抄読やフィールドワーク等を通して、論理構成力と養います。研究指導では、学生は地域包括ケア科学に関するテーマを選び、研究の一連の流れを自立して展開できる基礎的研究能力を修得します。
研究について
主な研究内容
概要
研究テーマ名:地域高齢者のフレイルと地域包括ケアシステムの構築
虚弱な高齢者の方々が住み慣れた地域で病気や障害を適切に管理しながら、望ましい人生の終末期を迎え天寿をまっとうできるケアが大切です。高齢化と人口減少が進むなか、限られた医療・介護資源を有効に社会の中で利活用できように、医療介護給付データ分析(南大阪医療介護SOHAスタディ)やフィールド調査を通して、様々な市町村・コミュニティにて高齢者のフレイルとそのケアニーズに関する地域課題を分析し、地域包括ケアシステムの構築に資する研究を展開しています。
概要
研究テーマ名:終末期がん患者とその家族への意思決定支援に関する看護師の教育プログラムの開発
近年、医療制度の改革により在院日数が短縮化されるなど、在宅医療が注目されています。しかしながら、終末期をどのように過ごし最期の場所をどこにするのかの意思決定は、患者と家族だけで行うことは容易ではありません。そこで、終末期患者の中でも、特にがん患者と家族が行う意思決定に対して、訪問看護師がどのような支援を行っているのかを明らかにし、在宅における終末期がん患者と家族への意思決定支援に関する看護師の教育プログラムの開発に取り組んでいます。
主な研究業績
- Ayumi Kono, Naomi Fukushima, Takuma Ishihara, Noriko Yoshiyuki, Kouji Yamamoto. Five-year disease-related risk of mortality in ambulatory frail older Japanese. Nihon Koshu Eisei Zasshi. 2021;68(4):267-275.
- 吉行紀子, 河野あゆみ. 要支援高齢者のフレイルと近隣住民ボランティアのソーシャル・キャピタルの関連.日本公衆衛生雑誌.2020;67(2):111-120.
- 岡本双美子,平松瑞子.在宅終末期がん患者を看取る家族へのグリーフケアに関する訪問看護師の困難.日本在宅ケア学会誌. 2018;22(1):92-98
スタッフ