ヘルスプロモーションケア科学

基本情報

ヘルスプロモーションケア科学

代表者 教授
横山 美江
連絡先 MAIL:yyokoyama[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 
概要 ヘルスプロモーションケア科学領域における教育では、公衆衛生看護学の概念と公衆衛生看護活動、ならびに保健師に必須とされるスキルについて学修を深めていただき、さらに、海外の保健師活動についても教授します。公衆衛生看護学領域ではPDCAサイクルに基づいて保健師活動を推進することが求められていることから、科学的なエビデンスを活用し、かつグローバルな視点からも健康政策について検討できるよう、海外のエビデンスの適切な把握方法、活用方法などのスキルも修得していただきます。
当研究室における研究については、世界に通じる研究を目指して、世界24か国との国際共同研究も推進しています。また、わが国では児童虐待に関する事件が多発しており、保健師活動においても、重要な取り組むべき課題となっています。そのため、児童虐待を事前に予防する手がかりを得るための基盤となる研究やフィンランドのネウボラに関する研究も推進しています。
その他、様々な研究課題にも取り組んでいます。
ホームページ http://www.nurs.osaka-cu.ac.jp/chiiki_kango/

 

教育について

【保健師教育】
保健師は、住民の皆様方の健康づくりを担っており、予防に重点をおいた活動をしています。保健師課程の皆さんにはその担い手として、活躍していただけるような高度な能力と技術を身につけていただきます。地域で生活する住民の方々の健康は、生活環境やLife styleの影響を受けています。このような人々の健康に影響を及ぼす生活環境やlife styleを適切に把握するとともに、地域住民の健康を効果的に維持・増進することができるように、生活環境やlife styleを整える支援についても学修していただきます。そのため、保健師教育では、公衆衛生看護学の概念と公衆衛生看護活動を学んでいただき、地域の健康課題を見いだすための地域診断の手法、家庭訪問に必要な技術、住民への健康教育を効果的に実施するためのスキル、健康危機管理を含めた公衆衛生看護管理など保健師活動に必要とされる高度な知識と技術、および海外の保健師活動についても学習を深めていただきます。さらに、これらの概念・諸理論を踏まえ、population-based studyをはじめとする疫学手法ならびに質的研究手法などのエビデンスを活用した政策形成についても国際的な視点から学びを深めていただきます。
なお、本学における保健師教育は、2025年から大学院(博士前期課程)での開講を計画(予定)しております。

【大学院における研究指導】
基本的には、院生の皆さんの興味のあるテーマに取り組んでいただけるように指導しています。大学院では、自身で学んでいく能力を高めていきますが、そのプロセスを皆さんと一緒に楽しく学んでいただけるように努めています。本研究室では、博士前期課程および博士後期課程の修了生のほとんどが、学会誌に論文を投稿し、掲載されています。研究能力の高い方には、国際誌に論文を投稿するための指導を行います。

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:児童虐待予防をめざしたフィンランドとの国際共同研究

近年、わが国では児童虐待に関する事件が多発しており、保健師活動においても、重要な取り組むべき課題となっています。一方、フィンランドでは、児童虐待に関する事件は、ほとんど発生しておらず、日本の母子保健を取り巻く環境とは異なった環境を有しています。
フィンランドでは、妊娠中から出産後まで切れ目なく手厚い支援がなされるなどの優れた母子保健システム(ネウボラ)が確立しており、日本の母子保健政策、すこやか親子21(第2次計画)のモデルともなっています。現在、フィンランドの母子保健について国際共同研究を進めており、児童虐待予防を強化するための手がかりを得るような研究へと発展できるよう研究を推進しています。これまで掲載された論文の詳細はホームページをご参照ください。

概要

研究テーマ名:双生児研究に関する世界最大規模の国際共同研究

2007年から実施しているヘルシンキ大学との国際共同研究は、現在ではヘルシンキ大学のみならず、スゥエーデンのカロリンスカ研究所、イギリスのQueen Mary University of London、オランダのVrije Universityなど世界24か国の世界最大規模の国際双生児研究(CODATwins project)へと急速に発展しています。この双生児研究とは、1卵性双生児と2卵性双生児の特徴を用い、遺伝と環境の分析をする研究手法です。すなわち、1卵性双生児は遺伝的に全く同じであり、2卵性双生児はきょうだい程度の類似度を有します。この特徴を用いて遺伝と環境の影響を解析します。
CODATwins projectでは、人の体格が遺伝的にどの程度規定されており、かつ環境要因にどのように影響されるのかを出生時の体格から高齢者の体格に至るまで分析しています。これまで掲載された論文の詳細はホームページをご参照ください。

主な研究業績

  1. Genetic and environmental influences on human height from infancy through adulthood at different levels of parental education Jelenkovic A, Sund R, Yokoyama Y, Latvala A, Sugawara M, et al.
    Scientific Reports, 10(1):7974. doi: 10.1038/s41598-020-64883-8.2020
  2. Maternal subjective well-being and preventive health care system in Japan and Finland Yokoyama Y, Hakulinen T, Sugimoto M, Silventoinen K, Kalland M.
    European Journal of Public Health, 28(4):652-657,2018
  3. Genetic and environmental factors affecting birth size variation: a pooled individual-based analysis of secular trends and global geographical differences using 26 twin cohorts.
    Yokoyama Y, Jelenkovic A, Hur YM, Sund R, Fagnani C, et al.
    International Journal of Epidemiology, 47(4):1195–1206,2018

 

スタッフ