急性看護学

基本情報

急性看護学

代表者 教授
北村 愛子
連絡先 MAIL:a-kitamura[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。
概要 急性看護学では、周手術期看護、救急看護、集中治療を受ける患者と家族に対してクリティカルケア看護を実践します。高度生体侵襲により重症化し、生命を脅かすような健康問題をもつ患者(発現する危険性が高い場合も含む)と家族を対象に、人間の反応を全人的に捉え、生命を維持し回復できるように看護問題を解決していくための専門的な援助を行います。昨今のCOVID-19、大規模災害といった緊急事態の場合は危機介入といった精神的なケアも重視して患者と家族の安全と安楽を守りながらケアを行うことが大切になります。あらゆる治療・療養の場、あらゆる病期・病態において急激な生命の危機状態にある患者と家族に対してケアを展開し、集中治療を受けていても心身ともに安寧でいられるように苦痛緩和を行い、回復に向かえるように支援します。また、治療が奏功せず死を迎えざるを得ない瞬間もその人らしく生を全うできるように援助を行うことを目的にクリティカルケア看護を実践します。
急性看護学研究室では、病態生理をふまえたインタープロフェッショナルな高度な知識と技術を追究し、全人的苦痛が緩和できるような看護独自の機能が果たせる人材育成と知の創造に努めています。
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教育について

急性看護学研究室では、疾病構造と治療が複雑化する重症患者の医療を担うクリティカルケアとして、看護が大切にしなくてはならない患者と家族の人権を保ち、病態を回復に向けて支援することの重要さを教授します。病態生理、フィジカルアセスメント、高度生体侵襲の治療の理解を基盤に緊急度や重症度の高い患者に対して集中的な看護を提供する方法を講義・演習します。また、患者本人とその家族の支援、医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるよう支援するためのコミュニケーションスキルや倫理的思考の講義と演習も行います。同時にインタープロフェッショナルな能力を培っていくことで、患者‐医療者のパートナーシップを形成に寄与する看護の役割を自ら考えて行動化する実習を行っています。実習後には臨床実践家とともに議論を行うことで充実感が得られ、ヒューマンケアリングに基づくクリティカルケア看護実践の重要さにも気づくきっかけとなっています。
博士前期課程では、周術期およびクリティカルな状況にある患者とその家族への高度な看護判断と看護援助を探求するとともに、QOLの向上に必要なアセスメント、看護介入、アドボカシー、患者教育などに関する研究能力を養います。そして、博士後期課程では、療養上の看護支援を必要とする健康障害や健康課題を持つ個人及びその家族に対して、個々の個性、家族的・文化的背景などを考慮した高いQOLを志向した健康回復や健康維持に必要なケア、あるいは安らかな死のケアを行うための理論や看護援助技法、研究方法論の開発を行います。
本研究室では、手術療法や先端医療の現状をふまえた急性期看護の課題を多角的にとらえ、倫理的視点から問題解決する理論や概念、方法論について国内外の広範な学問分野を含めた文献を基に探究し、社会と医療の変動の中で創造しながら看護実践に寄与できるような基礎的能力を修得していきます。

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:クリティカルケアを受ける患者の苦痛緩和と回復促進のケアプログラムの開発

クリティカルケアを受ける患者は、苦痛と苦悩を乗り越えて進まなくてならないため看護師の支援を必要としています。そのケアの在り方は、ケアリングをもとにした全人的ケアで、人間の反応を細やかに捉えて危機状態を見抜く思考とスキルが組み込まれた看護計画によって回復が促進されます。ケアの有効性を検証しながら看護師が活用しやすく患者が回復するケアを開発していく研究をおこなっています。

概要

研究テーマ名:クリティカルケアにおける患者と家族のこころを繋ぐケアプログラムの構築

クリティカルケアを受ける患者にとって家族の力に支えられることが多く、患者と家族のこころを繋いでいくケアは重要であるが、そのスキルやツール、内容などは未だ十分な看護の知になっていないため、今までの概念をもとに専門家知識を得て開発中である。隔離される患者と家族をつなぐ看護の力を明らかにしていく。

主な研究業績

  1. クリティカル期から回復期への移行ケアに関する看護実践研究
    クリティカル期から始まる患者の社会復帰に向けた生活の再構築に関する研究や周手術期医療情報と情報提供への看護介入、集中治療室から退出する時の移行ケアなど、看護実践において回復を促進していくことができるか、ニーズを把握し看護介入後の成果を検討しながら移行時に必要なケアを創り上げています。
  2. クリティカルケアにおける終末期のケアと看護実践の倫理に関するケアに関する研究
    死にゆく患者と家族の悲嘆ケアやスピリチュアルケア、急変時の対応と看護師が抱える困難感、EOLにある患者の思いを引き出すケア、終末期に必要な環境整備に関する実践など、倫理的配慮のケアを明らかにする研究を行っています。
  3. クリティカルケアに携わる看護師を育むための看護実践教育プロジェクト
    苦痛緩和と回復期への移行ケアの重要性と終末期ケアにおける倫理的課題について、研究結果をもとに現任教育「クリティカルケア看護講座」を例年実施、社会貢献することで看護師自身の積極的姿勢を引き出し互いに育みあう教授活動と教授方略の検討を行っています。

 

スタッフ

教授 北村 愛子
准教授 佐竹 陽子
講師 井上 奈々