家族看護学

基本情報

家族看護学

代表者 教授
中山 美由紀
連絡先

TEL:072-950-2819

MAIL:miyuki.nakayama[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 

概要 家族は、家族内外の変化の影響を受けながら、バランスを取ろうと揺れ動いています。家族員に生じた病気や障害は、家族全体の揺れとなり、家族全体の揺れもまた、家族員の揺れに影響を及ぼします。家族の揺れは、病気や障害に限らず、夫婦として新たに家族のスタートをきる、子どもの出生によって変化する役割、子どもの自立や家族員との死別など、家族の歴史のなかで繰り返され、その都度、バランスを取り直しながら家族としての発達を遂げていきます。家族におこる出来事は様々であり、バランスのとり方も、家族によって違いがある。これらのことから、ヘルスケアは、個人だけを対象とするよりも、家族全体にどのようなことが起こっているのかを俯瞰的に捉えながら、患者を含む家族のこれまでの生活や歴史、病気や障害を含めた現状、今後予測される状態と家族への影響へと視点を広げてケアにあたっていくことが重要だといえます。
家族看護とは、家族を看護の対象とし、家族が本来有する機能と家族の健康に関するケア機能を高める援助を探求する分野です。
家族看護分野では、家族看護実践や教育に貢献できる人材育成を行い、家族看護学の発展と家族看護の質の向上に寄与していきたいと願い、日々研鑽を図っております。
ホームページ https://www.omu.ac.jp/nurs/kazokukango/

 

教育について

家族看護学は、家族をひとつのケアユニットとして捉えて看護を行う。つまり、家族内の構成要素である家族員や外部環境と相互作用を行う「システムとしての家族」を対象とし、「システムとしての家族」が抱える健康課題の解決を目指すことを目標にしています。

  • 学部教育において、社会の最小単位であり、もっとも基本的なつながりのある家族は相互に作用しあうシステムとして考えることができます。家族を相互作用するシステムとして視る基本的な考え方について学習します。そして看護の対象である「家族」の意味とそのダイナミックスを理解し、家族のアセスメント、家族支援の基本について学習します。
  • 大学院教育において、博士前期課程では、修論コースと家族支援専門看護師コースがあります。
  • 博士前期課程では、家族を看護の対象とし、家族が本来有する機能と家族の健康に関するケア機能を高める援助を探求し、家族に生ずる健康問題、それに関連した要因への看護援助について家族看護の諸理論を活用した実証的な研究を行っています。
  • 博士前期課程専門看護師コースでは、患者の回復を促進するために家族を支援し、患者を含む家族本来のセルフケア機能を高め、主体的に問題解決できるよう身体的、精神的、社会的に支援し、水準の高い看護を提供する家族支援専門看護師を養成しています。
  • 博士後期課程では、家族を取り巻く社会情勢を踏まえ、家族のもつ健康問題を多角的に分析し、家族が健康維持・増進する機能を最大限に発揮して健康問題に対処できるようにするための理論、概念、方法論を探求する研究を行い、家族看護学の発展に貢献できる人材を育成しています。

 

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:AIを搭載した臨床看護師のための家族看護学習管理システム(LMS)の構築

地域包括ケアシステムの構築により家族に期待される役割は複雑化してきたため、看護師は家族に対する看護において困難感が生じる場面が増加することが予想されます。看護師の家族看護実践における困難感に対する支援として、困難に対応する能力を高めることが必要です。看護師の家族看護学に関する教育背景や経験は異なることから、看護師の個別性に応じた困難に対応する能力を高める学習支援を行うことが必要と考えます。そこで本研究ではAIを搭載した家族看護学習管理システム(LMS)を開発し、その効果を検証します。

概要

研究テーマ名:NICU看護師に対する在宅療育移行支援推進プログラムの構築

NICUから在宅移行に対する課題解決のために、在宅療育移行支援推進リーダーとなる人材を養成するプログラムの開発と評価を目的としています。そのためにNICUという組織における小児在宅療育移行支援の課題を明らかにし、組織改革を実施するために必要な教育内容を検討し、在宅療育移行支援推進リーダーとなる人材を養成するアドバンスコースのプログラムを開発と評価を行います。

主な研究業績

  1. 中山美由紀、藤野崇、山口望編集、著者他7名. はじめてみよう!家族看護. 大阪公立大学出版会.2018.
  2. 中山美由紀、井上敦子.在宅移行支援推進に必要なNICU 看護管理者の能力.大阪府立大学看護学雑誌.第25巻 第1号,2018,55-63.
  3. 泊祐子、中山美由紀、上別府圭子.事例研究のすすめ~家族看護実践を描く事例研究.家族看護学研究.第25巻 第2号,2020,213-224.

 

スタッフ