母性看護・助産学

基本情報

母性看護・助産学

代表者 教授
渡邊 香織
連絡先 TEL:072-950-2798
MAIL:kaori[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 
概要 母性看護・助産学分野では、Reproductive health & rightsやWell-beingの観点から母性準備期・成熟期・継承期にある女性と子ども、パートナー、家族の健康生活の特性や課題を理解し、母性看護における主要概念や諸理論について学び、その上で、ヘルスプロモーション、愛着、危機理論、役割理論、ソーシャルサポート等に基づくアセスメントの視点、援助方法、看護実践の評価について探求します。
また地域貢献活動として、2002年より「セクシュアリティ教育プロジェクト」を立ち上げ、高校生や思春期の子どもに講演や出張講義などを行っています。これらの長期的な活動が認められ、第73回保健文化賞団体の部(「思春期の子どものセクシュアリティに関する生活上の問題行動を解決・支援するために、自分を大切に、命の尊さを感じる心と行動を身につける教育・支援の実践、支援者の育成、支援者間の連携促進」活動に対して)を受賞しました。さらに、思春期の子どもに対する直接的支援だけでなく、看護職をはじめ教師、保健や福祉の専門家、地域住民と横断的な連携強化を図り、子どもの養育環境にも目を向けた研究、実践活動を展開しています。
研究と地域貢献活動を融合させることで、先進的な母性看護や助産学の知を創造することができるよう、スタッフ全員が一丸となって取り組んでいます。
ホームページ https://preconceptioncare.jp/top/

 

教育について

博士前期課程では、女性の健康増進、疾病予防に関して、身体的、心理・社会的側面から健康問題との関連性を分析し、21世紀の女性の健康増進活動に寄与する看護を理論的、実証的に追及します。マタニティサイクルにおける母子と家族の健康維持、増進ならびに疾病予防に対する看護支援、セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツの促進活動に寄与する看護について諸理論を活用し実証的研究を行います。また、医療・学校・福祉の多職種連携による協働支援について追究し、実践的研究を行います。
助産師資格取得プログラムでは、自律した助産ケア、母子への包括ケア、管理的・経営学的知識などを有する専門職者を育成します。実習は総合周産期医療センター、助産院、子育て支援センターなど16施設で行い、施設から地域への多様な場と対象の健康レベルに応じた助産実践を学ぶことができます。
博士後期課程では、ライフサイクルにおける、出産・子育て世代、さらに女性・家族の健康課題や健康問題に対する看護支援の体系化を図り、社会の変化に対応できる実証的な研究を行います。
教員は教育経験も豊富で、高度な看護や助産の実践力を育成できるように努めています。看護学・助産学を体系づけ、実装化するため、母性看護・助産学に関して多岐にわたるテーマで研究活動に取り組んでいます。具体的には、主な研究内容に加えて、妊娠糖尿病既往女性の妊娠合併症のフォローなど総合的な支援体制の構築、予期せぬ妊娠・出産を経験する/した親に対する多職種協働によるトランジション支援、妊娠中から3歳児健診までのチャイルドシート看護支援プログラム開発、チーム思春期の組織化と支援者への影響に関する研究を展開しており、幅広く専門的な研究指導が行えるよう体制を整えています。

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:プレコンセプションケアによる女性の栄養支援。妊婦の身体活動に関する研究

我が国の周産期課題として、糖尿病などの合併症妊婦の増加、やせ女性の増加に伴う低出生体重児の増加などがあります。これらに対して、適切な時期に適切な知識・情報を女性やカップルを対象に提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアを行うプレコンセプションケアの推進は重要な課題です。研究室では、生殖年齢にある女性の健康増進を目指し栄養支援を展開しています。また、妊婦の快適な妊娠生活の支援に向けて、歩行動作と身体活動量を科学的かつ客観的に情報解析し、指針の提供を行うことにも取り組んでいます。

概要

研究テーマ名:ライフステージを通した在留外国人およびその支援者の健康支援に関する研究

日本のグローバル化推進に伴い、留学生や就労を目的に在住する外国人が増加し、日本で暮らしながら結婚、妊娠、出産、育児という人生の大きなライフイベントを経験する者や外国にルーツを持つ子どもが増加しています。在留外国人の心身の健康には、言語、文化や習慣、保健制度の相違、など様々な要因が関連しており、思春期、性成熟期、更年期と各ライフステージにおいての課題があります。また、在留外国人への支援を行う看護職者側にも課題があります。我々は、在留外国人の包括的健康支援のために様々な専門職者が協働し、在留外国人特有の健康課題の抽出と健康支援についての研究を行っています。

主な研究業績

  1. Chie Koh, Takako Chiba, Ryoko Yoshida, Misato Kato, Maho Mori, Akiko Morimoto, Yukari Nakajima, Kanako Yamada, Miho Furuyama, Minako Saho, Kaori Watanabe. (2023): Differences in gestational weight gain in accordance with Japanese and Institute of Medicine guidelines between Japanese and non-Japanese Asian pregnant women at a perinatal medical center in Japan, Journal of International Health, 37(4), 179-188.

  2. 清水彩,宇藤裕子,内田美恵子,木下千鶴,小西美樹,関森みゆき,藤本紗央里,村木ゆかり(2022):全国の周産期母子医療センター新生児集中治療室の看護体制とケア実践に関する実態調査.日本新生児看護学会誌,2816-23
  3. 渡邊香織, 藤島和代, 渡邊友美子(2020):妊娠中期と後期における腰痛と歩行および身体活動量の変化と関連性.日本助産学会誌, 34(1), 3-13.

 

スタッフ

教授 渡邊 香織
准教授

清水 彩

准教授 中嶋 有加里
准教授 古山 美穂
講師 山田 加奈子
講師 髙 知恵