看護教育学

基本情報

看護教育学

代表者 教授
細田 泰子
連絡先 TEL:072-950-2921
MAIL:hosoday[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 
概要 看護教育学分野では、看護基礎教育、継続教育という側面から看護専門職の発達や育成に関わる要素を探索するとともに、看護教育に関する諸理論および関連学問分野の知見を活用して、看護のケアの質を高めるための教育的役割と機能、教育方法、教育評価等について探究します。その際、実践・理論・研究・教育をつなげて考えることを重視します。
博士前期課程には、看護教育者コースと修士論文コースがあります。看護教育者コースでは、看護教育学において必要となる専門的な理論と実践能力を基盤に、高度な教育・研究能力を保持し、グローバルな視座を有する教育者を育成します。修士論文コースでは、看護教育に関する諸理論および関連学問を活用して、看護ケアの質を高めるための教育的役割に関する研究能力を培います。博士後期課程では、看護教育学に関する諸理論、知識の体系化と方法論について探究し、自立して研究活動を行うことができる能力を養います。
看護教育学分野では、看護実践のコミュニティにおける人々の学習活動とその支援、継続教育におけるナラティヴアプローチの活用について研究に取り組んでいます。
ホームページ http://www.nursing.osakafu-u.ac.jp/gra/introduction/field_04/

 

教育について

博士前期課程では、看護教育学に関する概念・理論・方法について、文献クリティーク、プレゼンテーション、ディスカッションを通して探究します。また、近年の学習理論をふまえ、看護ケアの質を高めるための教育の役割・機能・評価について理解を深めます。インストラクショナルデザインを学び、教員や先輩を学生に見立ててミニレクチャーを行います。対象者の設定や授業内容の選定を行い、授業案を自ら考え、模擬授業を行います。実際にやってみてはじめて気づくことや学べることも多く、教員や先輩からのフィードバックを受けリフレクションし、今後の看護教育に活かしていきます。看護教育者コースは、理論を基盤とした教育実践に取り組めるよう支援します。看護師養成所専任教員資格取得科目を配置しており、修了後は、看護師学校養成所の専任教員、新人看護職員臨床研修における実地指導者および教育担当者等として看護学教育の発展に貢献することが期待されます。修士論文コースは、学生の経験や関心をもとに研究の課題を検討し、科学的根拠をもった独創的な研究に取り組めるように支援します。
博士後期課程では、国内外の学際的な文献クリティーク、プレゼンテーション、ディスカッションを通して、看護教育学に関する理論と方法論を探究します。博士論文は、質的・量的研究の方法について理解を深め、学生の研究課題を発展させ、学術的重要性と妥当性をもった独創性や新規性が認められる研究に取り組めるように支援します。博士後期課程のメンバーを中心にNursing Education研究会を開催し、研究の進捗状況の報告や発表会などの予演会を兼ねて意見交換などを行っています。院生同士に縦のつながりが生まれ、教員や先輩・後輩の院生や修了生から研究のアドバイスをいただき研究の進め方を学ぶ貴重な機会となっています。

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:看護学習者の臨床判断を拓くための臨床学習環境デザインに関する研究

現代社会の変化を背景に看護の対象や療養の場が多様化するなかで、看護師には適切な推論に基づく臨床判断が求められています。看護学習者が臨床判断能力を培うには、臨床の実践共同体における学びを支援する教育指導者の役割は重要となります。教育指導者の育成において、国際的かつ地域的な視座から臨床教育のあり方を検討し、つながりを創発するノットワーキングの活動に焦点をあてた研究を行っています。教育指導者が組織あるいは個人の活動を通して培ってきたナレッジをもとに、看護学習者の臨床判断を開拓する評価と臨床学習環境をデザインすることを支える教育プログラムの開発に取り組んでいます。

概要

研究テーマ名:看護職個々の実践の意味に接近するためのナラティヴアプローチに関する研究

これまでにないスピード化、効率化が求められる臨床現場では、看護職者が実践について語り合う機会と場所を失いつつあります。意味の多様性を認め合い、語りの平等性が保たれた対話の積み重ねであるナラティヴに着眼し、自分の言葉で“私”が大事にしている看護について語り合う場の創造に関する研究を行っています。語り合うことによって立ち現われるもの(成果や評価)の解明、各臨床現場になじむ語り合いの場を創造できるナラティヴ実践者の育成プログラムの開発に取り組んでいます。

主な研究業績

  1. 細田泰子, 勝山愛, 金山悠, 北島洋子, 根岸まゆみ, 片山由加里, 土肥美子(2023). 教育指導者による看護学習者の臨床判断能力の評価と支援の必要性―測定用具の信頼性・妥当性の検討―. 日本医学看護学教育学会誌, 31(3),21-30.
  2. 紙野雪香(2015). 現任看護教育におけるナラティヴアプローチの実践. 森岡正芳(編), 臨床ナラティヴアプローチ (pp.129-145). ミネルヴァ書房.
  3. 勝山愛, 細田泰子(2021). 新人看護師の学習活動におけるエンゲージメント. 日本看護学教育学会誌, 31(1), 133-144.

スタッフ

教授 細田 泰子
准教授 紙野 雪香
特任講師 勝山 愛