地域看護学
基本情報
地域看護学
代表者 | 教授 都筑 千景 |
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連絡先 | TEL:06-6645-3551 MAIL:tsuzuki[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 |
概要 |
日本では少子高齢化が進み、地域のつながりの希薄化や核家族化など社会情勢も大きく変化しています。そのような中、人々の生活はますます多様化し、個人や家族が持つ健康課題はより複雑化しています。さらにCOVID-19等の感染症や災害など健康危機管理事象の増加なども合わせ、地域で働く保健師をはじめとした看護職の役割はますます高まってきているといえます。 実践看護科学コース地域看護学分野では、個人だけでなく、集団やコミュニティも対象として、人々の健康レベルとQOLの向上を目的に教育・研究を行っています。地域看護学では「地域の中で看護する」だけでなく、「地域を看護する」こと、そして「地域の人々と共に看護する」ことも探究します。あらゆる人々の健康の維持増進とQOLの向上を目指し、地域看護学のエビデンスを集積し、地域看護実践の現場や保健師活動に還元できる教育・研究を進めています。 |
ホームページ | https://www.omu.ac.jp/nurs/community/ |
教育について
学部教育では、今後増加が見込まれる地域で働く看護職に必要な基礎的知識を教授します。医療機関で働く看護職であっても、退院する人たちが帰る場所は地域です。そのため、地域で活用できる人的・物的・社会資源、ネットワークなどを理解し支援に活かしていくことが看護師にも求められます。また、地域で働く保健師という専門職の役割や機能、活動について知ってもらい、保健師という仕事の面白さを伝えていきたいと思います。
大阪公立大学では保健師の養成を大学院に移行し、2025年から博士前期課程での保健師資格取得プログラムを開始しました。保健師資格取得プログラムでは、科学的根拠に基づいた専門性の高い実践力を育成し、昨今のCOVID-19、自然災害の増加などによる健康危機管理等、激動する社会における健康問題の多様化・複雑化に対応できる即戦力となる人材の育成を目指します。また、総合大学である大阪公立大学のメリットも生かし、多角的な視点や幅広い視野を醸成するカリキュラムを提供します。
大学院博士前期課程では、実践現場の疑問や課題解決のために理論や方法論を学び、論理的思考能力を身につけていきます。また、同じ志を持つ仲間との議論を通して、問題解決能力や交渉力などを醸成します。集大成となる修士論文の作成を通し、それぞれの関心に沿ったテーマ設定から研究課題につなげ、研究を組み立て、実践していく力を修得することを目指します。
大学院博士後期課程では、自立した研究・教育者として、地域看護学体系や教育・研究に貢献できる人材育成を行います。特に、地域看護学に有益な技術や資源の開発などを探究し、エビデンスに基づいた実践と公衆衛生看護の学問体系の発展に貢献していける能力を醸成します。
研究について
主な研究内容
概要
研究テーマ名:公衆衛生看護分野で働く保健師実践活動の明確化と、活動方法論や評価方法の開発
保健師活動のエビデンスについては、まだまだ明確化されていないものが多くあります。熟練保健師の実践知をもとに活動を明確化し、実践に活用・還元を目指した研究を行っています。また、保健師活動の基盤となる地域診断に関する教育実践や方法論の開発、評価に関する研究を行っています。
概要
研究テーマ名:健康に影響を及ぼす環境要因の分析や健康の保持・増進、QOLの向上に向けた研究
人々の健康は、身体的な側面以外にも心理・社会的な要因によっても大きな影響を受けており、年代や生活環境等の違いによっても、健康課題は様々です。そのため、地域で生活する個人や集団に対する予防的な視点を重視した支援方法の開発や地域看護活動の場で活用できるエビデンスの構築に向け、日々研究を行っています。これまでは、主に成人や高齢者を対象にした研究が中心でしたが、今後は乳幼児にも着目し、研究を行っていく予定です。
主な研究業績
- 都筑千景編著(2020):地域特性がみえてくる地域診断 地域包括支援センターの活動充実を目指して 医歯薬出版
- Kentaro Tanaka, Mai Kabayama, Ken Sugimoto, Hiroshi Akasaka, Yoichi Takami, Yasushi Takeya, Koichi Yamamoto, Toshiaki Sekiguchi, Eri Kiyoshige, Yuya Akagi, Kayo Godai, Saori Yasumoto, Yukie Masui, Yasuyuki Gondo, Kazunori Ikebe, Yasumichi Arai, Tatsuro Ishizaki, Hiromi Rakugi, Kei Kamide (2021): Association between uric acid and atherosclerosis in community‐dwelling older people: The SONIC study Geriatrics & Gerontology International 21(1) 94-101
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津下一代、都筑千景他(2024):改訂版 健康日本21(第三次)を踏まえて 地域・職域連携推進事業の新たなる展開(活動の手引き)
令和5年度厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)「地域・職域連携推進ガイドラインを活用した保健事業の展開に関する評価及び連携強化のための研究」 2024年03月
https://www.mhlw.go.jp/chiikishokuikiportal/guideline/index.html
スタッフ