老年看護学

基本情報

老年看護学

代表者 教授
長畑 多代
連絡先 TEL:072-950-2820
MAIL:tayon[at]omu.ac.jp [at]の部分を@と差し替えてください。 
概要 世界に類を見ないスピードで超高齢社会に突入した日本において、老年看護学の役割はますます高まると予測されています。老年看護学分野では、老年期を生きる人が住み慣れた場所で最期まで豊かに生ききることを支援するための看護のあり方について探究しています。老年看護実践の場は、医療機関、介護施設、在宅、地域と多様であり、ヘルスプロモーションや介護予防、慢性疾患のセルフマネジメント、認知症を有する高齢者と家族へのケア、急性期医療を受ける高齢者の看護、看取りやエンドオブライフ・ケア等、看護実践も多岐にわたっています。高齢者と家族のQOL向上に寄与する研究および理論の構築を目指し、多様なフィールドにおいて高い倫理観と豊かな高齢者観に基づいた専門性の高い老年看護実践ができる人材を育成していきます。
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教育について

<学部>
老年期の身体的、心理・社会的特徴を踏まえて高齢者を総合的に理解することを促進するため、出来るだけ映像や体験(演習)、メディアなど多様な素材を駆使し、20歳前後である学部生の高齢者理解が深まるよう教育方法を工夫しています。また臨地実習は介護老人保健施設、ユニット型特別養護老人ホーム、小規模多機能型居宅介護、認知症デイサービス等で行い、一人一人の個別性に合わせた生活の場における看護実践の基盤を学びます。

<大学院>
博士前期課程では老人看護専門看護師(CNS)を養成する実践看護研究コース、および研究者を養成する基礎となる修士論文コースの2コースを担当しています。実践看護研究コースでは、複雑で多様な健康問題をもつ高齢者と家族の総合的なアセスメント能力、QOL向上に向けた卓越した看護実践能力を養うため、様々なフィールドで先駆的な実践を展開する看護職やCNSを講師に迎え、ディスカッションを通して、理論に基づく専門性の高い老年看護実践を学びます。修士論文コースでは、老年看護に活用できる諸理論を学び、生活・療養の場の特徴に応じた老年看護の専門性を探求することを通して、実践に即した研究を追究していきます。
博士後期課程では、医療機関、施設、在宅などの老年看護実践の場において実証的な調査・観察を通じて老年看護学の体系化をめざした理論構築、質の高い実践のための技術開発、研究手法などを修得し、老年看護学における理論構築に寄与する研究者、教育者の養成を目指します。

研究について

主な研究内容

概要

研究テーマ名:高齢者施設における看護ケアモデルの構築に向けた研究

介護老人保健施設や特別養護老人ホーム等の高齢者施設における看取りケア、認知症ケア、生活機能の維持に向けたケアなど、施設の特徴を踏まえた看護実践を明確にし、高齢者施設ならではの看護ケアモデルの構築に向けたエビデンスの創出を目指しています。また、ケアの質を担保する上で、高齢者だけでなくケアを提供する専門職(看護職や介護職)にも焦点をあて、バーンアウトを予防しコミットメントを高める教育プログラムの開発、多職種連携促進に向けたアクションリサーチを行っています。

概要

研究テーマ名:レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies; DLB)の人と家族への支援に関する研究

認知症の原因疾患のひとつであるDLBでは、幻視や認知機能の変動、レム睡眠行動異常症といった他の認知症とは異なる症状が出現します。認知症の原因疾患による症状の違いに応じた支援を探求することを目的として、DLBの人と家族の睡眠・睡眠覚醒周期に関する研究やDLBの人の認知機能変動に関する研究に取り組んでいます。また、DLBの人、家族だけでなく、医療介護関係者を対象とし、安心と支援の交流の場を創り上げることを目的としたDLBサポートネットワーク交流会活動を行っています。

主な研究業績

  1. 長畑多代(2020):認知症の人への退院後の支援.老年精神医学会雑誌,31(8),852-858
  2. 九津見雅美、加藤泰子、井口高志、大塚恒子、森村安史、土山雅人(2018):レビー小体型認知症サポートネットワーク兵庫交流会の活動と参加者の満足度に関する検討.仁明会精神医学研究,15(1),95-101
  3. 呉代華容、樺山舞、神出計、野上素子、春日彩花、安元佐織、増井幸恵、赤坂憲、池邉一典、石﨑達郎、樂木宏実、権藤恭之(2021):地域在住高齢者における新型コロナウイルス感染症拡大に伴う活動量の変化とその関連因子についての検討.日本老年医学会雑誌,
    584),591-601

  4. 長野弥生、細田泰子、紙野雪香(2020):看護実践における新人看護師のモデリングの様相日本医学看護学教育学会誌, 29(2), 13-21. 

スタッフ