研究科長挨拶、専攻長挨拶
研究科長挨拶
大学院法学研究科長・法学部長 守矢 健一

社会あるところ法ありと言われますが、社会あるところにルールはあっても、法があるとは必ず言えるわけではありません。ルールに則った経済合理性の名のもとに法が侵害される場合もあり、だからこそ、信託とか信頼といった、公共のサステナビリティをめぐる、ルールの質を問う理念が改めて注目され重要性を高めています。 大阪公立大学法学部・法学研究科では、法学のみならず政治学が研究・教育の対象です。政治が、社会全体の構造転換について一義的決定を施すための重要な方法だとすれば、そのような決定が不当に個々人を圧迫せず、個々人がその能力を十全に開花させ、活気ある社会発展を可能とするために、法が機能せねばならない。政治と法とが、ときに相互の緊張をはらみながら十分に機能する社会こそが、持続可能な社会発展の基礎です。
本学法学部・法学研究科の大きな特長は、教員と学生とが共に、都市のなかで法と政治につき学び考えるところにあり、この特長は大阪市立大学法学部創設から80年近く、大切に育まれてきました。卒業生たちは、法曹、公務員、企業人、研究者などの道に進み、高い信頼を勝ちえています。都市は一方でまさに都市として、国内外の諸都市との結節点であり、他方で、周囲の領域に支えられてもいます。本学部・本研究科の教員と学生は、民主主義を担う市民として、都市を含む社会全体を深部において支え動かす存在であり続けようと今日に至るまで努力を傾けています。
2022年の大学統合により法学部・法学研究科の陣容も充実し、同時に総合大学として他の諸分野との連携の密度も高めています。その一例は都市シンクタンク機能の強化活動であり、この活動が生み出した新たな対話の中で、文系・理系を問わず、「誰一人として取り残さない」ままで社会を活気ある展開へと導くため、法学と政治学の役割が増しており、しかもその法的・政治的な知の根柢的更新も不可欠であることが次第に明らかになっています。研究成果の持続的かつ真の社会還元のためにも、私たちは国内外との(特にドイツとの国際学術交流には定評がある)研究交流を充実させ、最新のそして愉しい基礎研究を核心とし、大阪から活気ある知的刺激を提供したいと企んでいます。
研究と一体となった教育こそ大学の最大の任務です。本法学部では、少人数で教員とともに学ぶ演習科目(ゼミ)を教育の核とし、体系的でありながら自由な選択の幅も確保された講義提供により、多様な関心を持つ学生が、法と政治とを内面的関心を以て学べるよう努めています。法曹養成プログラムや法学・政治学の大学院科目の先行履修など、学部と大学院とを架橋するカリキュラムを設け、法と政治とに対する学生の知的好奇心の刺激と責任感の醸成とを目指しています。法学政治学専攻(博士前期課程・博士後期課程)と法曹養成専攻(法科大学院)からなる2つの大学院においては、少人数教育を一層徹底し、未来の法学政治学研究者と法曹の担い手、さらに修士・博士の学位を備えた社会人を育成し、理論と実務がしのぎを削りつつ共に発展する対話空間の構築につとめています。
専攻長挨拶
大学院法学研究科法曹養成専攻長 小柿 徳武

大阪公立大学法科大学院は、前身の大阪市立大学法科大学院からバトンを受け継ぎ、「真のプロフェッションとしての法曹」を養成することを目指しています。すでに本法科大学院からは、真のプロフェッションと呼ぶに値する数々の法曹が輩出し、社会においてそれぞれの貴重な役割を果たしておられます。
どのような領域でも、真のプロフェッションは、その専門家でなければできない仕事を成し遂げることを誇りとするとともに、それを行うことを社会における自らの使命とする高い自覚を持ち、この使命をよりよく果たすための日々の努力を怠ることがありません。
法曹の世界に入ること、そのプロフェッションたることの厳しさは、ご存知のとおりです。それでもなおこの道を歩もうとする皆さんの志を、とても尊いものであると私たちは考えます。そして、本法科大学院で、真のプロフェッションを目指していただきたいと思います。
そのためには、自らが法曹になって何を成し遂げるべきなのか、考えてください。それは、日本にとどまらない広い視野という横軸と、歴史という縦軸を持ち、社会と人間に対する鋭く深い洞察力をもって初めて、像として浮かび上がってくるものでしょう。この像を胸に、強い意志をもって学んでください。
本法科大学院の特徴として、「風通しの良さ」と「教員と学生の距離の近さ」を挙げることができます。学生数が少人数であるからこそ、共通の目標に向かって、互いに切磋琢磨し合う気風を有しています。まずは司法試験に合格することが目標ですが、最終的な目標は、真のプロフェッションとして社会で活躍することです。そのために必要なものを、本法科大学院はすべて備えています。皆さんの夢に向かって、是非、本法科大学院の扉をたたいてみてください。