在学生の声

在校生インタビュー(2022年)

参加者(学年、出身大学、学部)

A(3年(既)、同志社大学、法学部)
B(2年、金沢大学、人間社会学部)
C(2年(既)、大阪市立大学、法学部)
D(1年、京都府立大学、生命環境学部)

 

志望動機・クラスの雰囲気

A→大阪公立大学のロースクールへの志望動機とロースクールの印象をお願いします。

B→志望動機は、未修で入学することになったので、学費が安かったことが一番大きいです。他の大学院も受けていたのですが、そこが一番の決め手になったと思います。

実際に入ってみてからの雰囲気は、和気あいあいとしていて、居心地が良いです。学年の人数が少ないので、すぐにみんなと仲良くなることができたと思います。

C→僕は学部がここの大学だったのでロースクールも同じ環境で学びたいなと思ったのがきっかけです。学部の法曹養成プログラムという制度の中でロースクールの授業を受けた時に、その授業がとても分かりやすかったので、ここのロースクールで学びたい、と決めました。雰囲気ですが、小人数の授業なので先生に質問をしやすいのは勿論のこと、授業でわからない点があっても、みんなで話し合う事ができるので、とてもいい雰囲気だなと思っています。

D→僕は直前まで社会人をやっていて、大学生に戻るのが久しぶりということと、生徒数の多い大学院になじめるかどうかも不安だったので少人数制のところでやってみたいというのがありました。入ってみての雰囲気ですが、少人数制の一丸となってやれる雰囲気があって、とても勉強しやすい環境だなと思っています。授業も、未修の学生に対して丁寧に行って頂いているなという印象があり、勉強の仕方も含めて、自分がペースメーカーになって進めていけるので結構充実しています。

A→志望動機ですが、一番は市大の学費が安かったこと、その中でも公立大学ということもあって大阪府からの支援が手厚かったのです。実際に大阪府の授業料減免の制度を受けて授業料が免除され通えているというのがあります。入ってみての雰囲気ですが、司法試験を目指しているのでもっと殺伐とした雰囲気があるのかな、と思っていたのですが、少人数ならではのアットホームな感じです。かといってグループで固まり分断される、ということもなくみんないい雰囲気で学校生活を送れている、という印象です。

授業

A→では、ロースクールの授業についてお聞きしたいと思います。

B1年次生の時は講義形式の授業が多く、未修で法律の知識もしっかりと入っていない状態だったので、講義形式で頭に入れることが出来て良かったかなと思います。2年次生に上がってからは、講義形式よりも双方向型の授業が増え、当てられたり発言する機会も増えたので、緊張感が増したかなと思います。けれど先生も他の学生の方も何とかくみ取ってくれようとしてくださり、自分の発言もうまく聞き取ってもらえ、授業に参加できている実感を得ています。

C→僕は性格的に緊張することも多いのですが、先生方も優しい方が多く、解答に詰まったり緊張しすぎて自分でもわからなくなったり、言葉がたどたどしくなった時でも、フォローしてくださるので、とてもありがたく思っています。また授業時間内だけでなく時間外でも質問に応じてくださったりするので、それもありがたいです。

D1年次生では法律科目の基礎知識を講義で受けています。予習が必須の授業になっていて先生からの質問を双方向の形で受けることがあるんですが、言葉に詰まったりどう表現したらよいかわからなかったりしても基本的には先生がフォローしてくださるので、安心して学べます。予習段階でわからないことは授業で解説してくださり、初学者に向けて、こういったところは詰まるな、というように分析して講義してくださっている印象を受けます。授業以外のフォローについてなんですが、1年次生は授業でインプットしたことをアウトプットする機会がまだない中、テストに向けて、ゼミを組んだりして答案練習をしています。それを披露しないと効果的ではないので、先生にお願いしてみるんですが、どの先生方も快く引き受けて見てくださいます。わざわざ研究室で解説してくださったりもします。とても手厚いなと思います。

A→僕は一応ある程度法律を分かったという前提の下、既修で入学しました。正直法律的な知識というのはあまり足りてなくて、授業も先生からの質問や、事前に出される予習課題とかもわからないことが多かったんですが、頑張って食らいつきました。先生に授業内で指摘してもらったりを繰り返すことで勉強になりました。2年次生ではそういった双方向型の演習系の授業が多かったです。3年次生ではより実務に向けた授業も増えてきて、特に良いなと思ったのが、市大出身の弁護士としてかなりご活躍されている先生方が教えてくださるっていう点です。現場の生の情報、意見を聞けるのでそこは良い機会を提供してもらえていると思います。

アカデミックアドバイザー(AA)制度

A→アカデミックアドバイザー(A.A)という制度があるんですが、それについていかがでしょうか?

BAAには1年次生の時からなるべく参加するようにしています。
答案を書くのがあまり得意じゃないので後回しにしがちなんですが、AA参加では答案を出す必要があるので、答案を書くきっかけがAAだということになっているのかなと思います。実際に司法試験に合格した方から答案添削してもらえる機会なので、教授に依頼したのとはまた違った感じで添削していただけ、ありがたい制度だなと思います。自分でもそれを活用できているかなと思っています。

C→僕はまだアカデミックアドバイザー制度には参加したことはないんですが、周りの話を聞いていると、細かな点まで答案を見て教えてもらえるようです。学期が始まる前にアンケートを取って、どういうところをフォローしてほしいか等しっかり聞いてくださり、とても良い制度だなと思っています。

D→僕はアカデミックアドバイザーの制度は利用しています。答案を書くにあたって、未修で法律科目に全く触れてこなかった人からすると、論述式で何を書くかということが本当に何もわからない状態から入るので、最初のAAの授業の時に先生からレジュメをいただきそれを見て初めてこんな風に書くんだと知ったんです。こういった機会じゃないと聞けなかったなと思いました。AAは基本的に参加が任意なのでより少人数で行われ、ある意味融通が利くんです。わからない点を聞いてすぐ回答が得られ、時間があればもっと質問を受け付けてくれる。その場で全部解決してもらえる、それがすごくありがたいんです。試験のテクニック的なところはまだ僕らの知識が進んでいないのですが、あとあと、あ、そういう事なんだという風に活きてくることがあるんじゃないかと思うので、今入手できたレジュメなども取っておこうと思っています。

A→僕が2年次生の時は、すべてに参加はできなかったんですが、もっと受講していたらよかったなと思っています。担当してくださっている弁護士の先生が司法試験の経験者ならではの対策的な観点から話をしてくださるので、教授の学術的な観点からとはまた違った答案のテクニック的なところを指摘してくださり、とても勉強になります。実際添削していただき、これダメ、あれダメと言われるのも自分の成長につながりました。3年次生のAAはまた少し違い、その場で1対1で添削していただき、評価をもらうやり方です。目の前で弁護士の先生に答案を見てもらえる機会はそうそうないですし、先生からの質問に対してちゃんと説明できていなければ、上手く表現できていなかったんだとわかるし、そもそも理解できていなかったことを肌で感じられる。特に3年次生向けAAはダメな点が痛感できるという良さがあります。

エクスターンシップ

A→では次はエクスターンシップについてお聞きしたいと思います。

エクスターンシップは2年生後期の春休みに10日程度、市大出身の弁護士事務所に訪問して研修させていただく制度です。例えば裁判所に付き添って行き、傍聴席で見させてもらう。あるいは法律相談に同席させてもらう。そういった弁護士の実務を体験させていただける制度です。

D→その参加というのは任意ですか?

A→そうです。任意です。授業の一環なので。僕の代では6割くらいの方が取っていたと思います。僕がお世話になった先生は、交通事故を多く扱う先生だったので、保険会社とのやり取りも見ることが出来、またその進め方を見て、より、弁護士になりたいと思ったわけですけど。また担当の弁護士だけではなく、その先生が忙しい時はほかの弁護士の方にも面倒を見てもらいました。課題を出してほしいと自分から先生に頼み、課題を出してもらったりもしました。とても貴重な経験が出来たと思いますしモチベーションに繋がったと思います。ぜひ皆さんには参加してほしいなと思います。

B→入学した時から、希望者は全員エクスターンシップに行けると聞いていました。実際に勉強したことを実務にどういった形で使えるのか見れる機会だと思っていたので行きたかったのですが、今年から在学中受験の関係で、時期的に微妙だなと思い今回は見送ることにしました。でもなかなかない機会だと思うので、行ける人はぜひ行ってほしいです。

C→僕は勉強の負担を考えて今回エクスターンシップは取っていないんですが、実際にどう事件を処理しているかとか、講義では学べないこと、教科書ではわからないことを実際に現場で学べる機会なのかなという印象を受けたので、受けるべきだったのかなとちょっと後悔しています(笑)。

D→僕は残念ながら知らなかったです。全員参加できるんですね。こういうのって普通抽選があったりしますよね。話を聞いて魅力的に感じました。色々話を聞いて憧れを抱いて僕らはここに居るわけですが、実際の弁護士実務ってそう簡単に見に行けるものでもないし、人の人生がかかっていることなので、それを間近で見れる制度というのはいいなと思います。ぜひ行ってみたいなと思います。

自習室と資料室

A→大阪公大の施設・設備についてお聞きします。

B→私は結構家と自習室と図書館をその時の気分に合わせて使い分けています。学部では自習室はなかったので家と図書館くらいしか選択肢はなかったんです。自習室に行くと、勉強している人が目に入るので、やる気が出ます。机も大きく、集中して勉強できる環境です。

C→一人一人のスペースがあって、引き出しもあって。授業時間の隙間時間に予習復習もでき便利だなと思います。資料室は図書館にないような本や過去問がおいてあるので、テスト前や報告資料を作るときに気軽に行けて便利だなと思っています。

D→僕は基本的に自習室でしか勉強しないという態勢をとっています。気が散るし、図書館も結構周りの人が気になるので集中できないんです。だから僕にとっては最適な環境です。パーテーションで区切られていて、机も広く使え、荷物も置けます。基本的には教材すべてを自習室において、通学には電車内で読む本だけを持っていく、というスタイルです。家に帰ると飯食って風呂入って寝る(笑)という感じです。そして大学では勉強する。それが今自分にとって丁度よく、自宅、大学とメリハリがついていて、そんな勉強の仕方も可能な設備が整っている、というのがすごく良いなと思っています。周りの人の頑張りも見えるし、刺激ももらえている良い環境だと思います。

A→僕も勉強は自習室でします。一番の良さは、人がいること。わからないことがあったら人の勉強の邪魔をしているかもしれませんが(笑)僕はよく質問をしたりしています。学生同士なのでそのやり取りが刺激にもなり、コミュニケーションを図ることで、相手のわからないことも聞け、自身の勉強につながることもあるので、自習室の存在がプラスになっているなと感じます。資料室もすごく教材がそろっています。司法試験に必要な市販の演習本とか教科書、基本書が網羅されています。法律の本は買うと高いので、それを無料で見られる場所がそこにあるというのは非常にありがたいと思っています。

将来、目指す法曹像

A→将来、目指す法曹像について、希望進路も含めてお伺いしたいと思います。

B→私は、弁護士を志望しています。学部生の時にインターンで弁護士事務所に行ったことがあって、厳格で怖いイメージがあった弁護士の方々が実は優しくて依頼者に寄り添って話を聞かれていたのが印象的でした。自分も将来そんな弁護士になりたいと考えています。

C→僕は実は何も考えず法学部に入ったんです。法律について勉強していくうちに、法律って面白いと関心を持ちました。大学受験でもあがり症で緊張したんですが、家族も含め周りのサポートがあって今ここで勉強できています。周りの人たちを法律をもって支えてあげられるような弁護士になりたいと思っています。

D→僕はもともと人の役に立てる仕事がしたいと漠然と思っていたんです。法治国家で生きていくうえでは法律に準拠して生きていくわけですが、何か紛争が起こった時に法をもって解決するという枠組みの中で、法曹という仕事が直接的に役に立てる仕事なんだなと経験を通して思い知ったことがあったんです。それで法曹、弁護士を目指したいと思いました。僕は一回エンターテインメント業界で社会人を経験しています。僕の中ではもう少し根源的なところで人の役にたつ、この人なら何とかしてくれるというところに身を置きたいという思いがあり、弁護士という職業がそれに一番近いのではないかと思いました。

A→僕も弁護士志望ですけど、信頼されて頼りやすい弁護士になりたいと思っています。もともと中学生の頃より弁護士になりたいとは思っていました。大学では海外にボランティアを派遣するサークルに入っていました。ひとりのチームリーダーが言っていたのが、みんなから頼られやすいリーダーになりたいと。僕は人見知りなところもあるんですが、確かにそのリーダーにはしゃべりやすく頼りやすかった。実際に人に頼るって難しいことだと思うんです。自分で何とかしようと思いがちですが、そういう時に頼ろうと思える人って意外と少なくて。先ほど話したエクスターンシップでも経験しましたが、依頼者が弁護士の先生を頼ってあれもこれも聞いてほしいという様子から、この先生は日ごろから保険会社やクライアントとコミュニケーションを図っている中で、頼られやすい信頼関係を築いてこられたんだなと感じました。これらのきっかけもあって、頼られやすい弁護士になりたいと思っています。

コロナ禍の授業

A→最後にコロナ禍の遠隔授業についてお願いします。

B→私の場合、1年次生の途中から遠隔授業になりました。後期からは対面でした。授業の内容的には遠隔でもそんなに大きな差はなかったかな、という印象です。録音を聞くこともしましたが、リアルタイムでZoomで行われる授業も多かったので、質問することもできました。録音を聞く場合でもメール等で質問もでき返信も早くいただけたので対面と大差はなかったかなと思います。

C→僕はロースクールでは遠隔授業を経験したことはないのですが、学部の2回生からはほとんどがオンラインで行われました。大学に登校せずに活動範囲も家の周りだけになって、もう戻れないかなと思った時もありました。ロースクールは対面だとわかり春休みは不安になりましたが、実際に対面を経験すると生の会話、先生との質疑応答もすぐでき、自分は理解できたのか理解していないのかなど、遠隔授業で気付かなかったことに気付けたりもして良かったです。またZoom授業で質問した時もわかりやすく説明いただいたのでそれなりにメリットもあるなと感じました。

D→僕は一度も遠隔授業を受けたことがないのですが、これからは遠隔授業もあると思います。対面と遠隔、それほど違いがあるのかなと思っています。遠隔だからむしろ人によってはメリットの方が大きいのではと考えています。忘れ物もない、遅刻も減る。僕的にはネットワークを介した授業はもう少し増えても良いのかなとも感じています。質問のある人に対してもやり取りもでき楽なのではないかと。画面共有で図示ができ、対面授業において口で説明するより説明しやすかったりもしますし、効率化の面でももう少し拡大利用もできるのではないかと思っています。対面、遠隔どちらも良いと思います。

A→コロナ禍の遠隔授業は、メリット、デメリット、両方あったと思います。デメリットはずっと家にいるということ。僕は既修で入って遠隔授業だったので、同じ学年の人とあまり話す機会もなく過ごしており、多少寂しさもあり残念でした。メリットは、先生方も遠隔授業についてはとても工夫を凝らしてくださっていて、双方向の授業がメインである演習系授業はZoomで行い質問も回して解答してくださいました。レジュメも平常より内容もしっかり書き込んだものを配布して対面できない部分をカバーしてくださったり。遠隔だから授業効果が落ちる、ということはありませんでした。緊張感があまりなかったのでそれはメリットなのかデメリットなのかは微妙なのかもしれませんが、入学当初はただでさえ授業というものに緊張しているので遠隔ということで多少は気軽に受けることができた、というのが有難かったなと思います。